韓国の賃金水準が日本を上回る中、韓国で働く日本人が急増していると、韓国メディア「朝鮮日報」が12月16日に報じました。K-POPや韓国ドラマなど韓国文化の影響が広がる一方、経済的な要因も重なり、日本の若者が韓国での就職を現実的な選択肢として考えるようになっています。
就職者数が急増—「韓国で働きたい日本人」
韓国法務部の統計によると、2014年10月に韓国で就労ビザを取得した日本人はわずか1人だったのに対し、2024年10月には2196人に急増。10年で大きな変化が起きています。
日本貿易振興機構(ジェトロ)ソウル支社の関係者は、韓流ブームの影響が背景にあると指摘し、「K-POPや韓国ドラマを通じて韓国語を学んだ若者が就職する年齢になり、自然に韓国での就職を考えるようになった」と分析しています。
さらに、韓国の賃金水準も魅力の一つです。韓国経営者総協会の報告書によると、2022年の韓国の会社員の平均月給は399万ウォン(約42万8000円)と、日本の379万ウォン(約40万6000円)を上回りました。かつて2002年には日本の賃金が韓国の約2倍だったことを考えると、逆転した現状は大きな変化です。
「キャリア組」も韓国へ—変わる就職層
これまで韓国で就職する日本人は、韓国の大学を卒業した留学生が中心でした。しかし、最近は「日本の大学を卒業後、日本で就職した後に韓国企業に転職するケース」が増加。日韓企業間でのキャリアの選択肢が広がっています。
韓国のビザ制度の厳しさ
一方で、韓国の厳しい就労ビザ制度が就職のハードルとなっています。特定活動ビザ(E-7)では、関連する学歴や職務経験が求められるため、ビザが取得できず日本に帰国するケースも少なくありません。
韓国で就職活動をしている日本人からは、「日本の外国人就労制度と比べても韓国の基準は厳しい」という声も上がっています。
「日本人を歓迎」「移民政策が必要」
●韓国のネットユーザーからは、日本人就労者に対して好意的な意見が多く寄せられました。
「優秀な外国人を受け入れる移民政策を始めるべき時だ」
「日本人の若者は礼儀正しく信頼できる。もっと来てほしい」
「不法就労者を減らして、日本人を積極的に受け入れよう」
「時代は変わったね。日本人が韓国に来る時代になるとは」
●一方で、韓国の社会状況に言及する声も見られました。
「韓国に移住したら驚くことも多いはず。まともな政治が必要だ」
「歓迎するけれど、労働環境や物価の高さには驚くだろうね」
韓国と日本—就職市場での逆転と新たな選択肢
かつて「韓国人が日本に出稼ぎに行く」という構図が一般的でしたが、今では日本人が韓国を目指す時代に変わりつつあります。韓国の賃金上昇、円安の影響、そして韓国文化への親しみが相まって、日本の若者が韓国に魅力を感じているのは明白です。
ただし、韓国の就労ビザ制度は依然としてハードルが高く、改善が求められています。韓国国内で外国人労働者に対する受け入れ方針が議論される中、韓国経済の持続的な成長とともに、優秀な外国人労働力を受け入れる制度改革が今後の課題と言えるでしょう。
日本と韓国の経済格差が縮まりつつある今、両国の若者たちが互いの国でキャリアを築くという新たな動きが、日韓関係における経済協力や人的交流をさらに活発化させる可能性があります。
ネット上のコメント
・日本に過酷な重税払うくらいなら海外に脱出する若者が増えるのも致しかねない
・まぁ人それぞれだわなぁ。
・日本の会社に魅力がなくなってきてるだけじゃないの?😅
・これもう分かんねぇな~
・なぜか韓国好きなヤツいるからな、もうそのくらいじゃ驚かんよ
・今の情勢で韓国行くってもっと自分を大事にしなよ
・行きたいやつは行けば良いじゃん自己責任で