元SMAPの中居正広氏に関する性加害疑惑と、示談金9000万円に絡む守秘義務違反の問題が話題を呼んでいます。この件について、弁護士であり税理士の藤吉修崇氏がSNSで法律的な視点から解説。その内容が「わかりやすい」と反響を呼ぶ一方で、「実現可能性は低い」との指摘も議論を広げています。
示談金9000万円と守秘義務の仕組み
藤吉氏は、この件について次のような推測を述べています。
⑴示談書(合意書)には、「性加害の賠償金」として9000万円を支払うと同時に、「口外しない」という守秘義務が含まれていると考えられる。
⑵「守秘義務違反時に9000万円を返還する」という条項が盛り込まれているかは不明。ただし、仮にそのような条項がなくても、「守秘義務を破ったことで契約を解除し、返金を求める」ことは可能。
しかし、契約を解除して返金を請求する場合、その過程で示談内容が公開される可能性が高く、中居氏側にとって大きなリスクとなります。さらに、「週刊誌の告発が友人を通じて行われた」と報じられている点も問題を複雑化させています。「本人ではなく友人が漏らした場合でも、守秘義務違反に該当する可能性が高い」と藤吉氏は指摘しています。
実現可能性の低い「返金請求」
藤吉氏は、「9000万円を返せ」と主張すること自体は法的に可能であるとしながらも、実際に返金を実現することはほぼ不可能だと述べています。その理由としては以下の点を挙げています。
⑴返金請求を実現するためには裁判が必要となるが、裁判は基本的に公開で行われるため、性加害の事実が公になるリスクがある。
⑵守秘義務違反に対して刑事罰を求めることも難しく、私人間の守秘義務違反を罰する法律がないため、名誉毀損に該当するかどうかが争点になる。しかし、これもメディアに取り上げられるリスクを伴う。
藤吉氏は、この示談金9000万円が「沈黙の値段」である一方、「地雷の購入代金」だった可能性を示唆し、最終的な結論は中居氏のみが知るとまとめています。
ネットの反応
この解説に対し、SNSではさまざまな反応が寄せられています。
●返金請求はすべきとの意見
「9000万円って普通じゃあり得ない額だし、守秘義務が破られたなら返金請求すべきだと思う」(30代・男性)
「性加害の事実が公になるリスクがあるとしても、返金を求めないのはおかしい」(40代・女性)
●返金請求は難しいとの意見
「裁判になったら余計に中居氏の評判が落ちるだけ。得るものが少なすぎる」(20代・女性)
「法律的には正しいかもしれないけど、実務的に返金を求めるのは現実的じゃない」(50代・男性)
守秘義務契約の教訓
今回のケースは、示談による解決の際に、守秘義務の具体的な条項がいかに重要かを浮き彫りにしました。特に「違反時の返金条項」を明確に記載することで、こうしたトラブルを防ぐ手立てとなります。示談の合意が急がれる状況でも、リスク回避を考慮した慎重な対応が求められると言えるでしょう。
また、契約を守らない場合にどのような結果が生じるかという点について、当事者や代理人の間での理解が不足しているケースが少なくありません。性加害の解決金としての性質と、守秘義務の代価としての性質が混在している今回の9000万円は、その象徴的な事例と言えるでしょう。
今回の問題を通じて、性加害に関する示談金や守秘義務契約が、法的・社会的にどのように扱われるべきかが議論されるきっかけになるかもしれません。示談金という形で解決を図るケースは少なくないものの、こうしたリスクを回避するための新たな仕組みづくりが求められる場面も出てくるでしょう。
裁判に進むのか、それとも静かに幕引きとなるのか。この件の行方に、多くの関心が寄せられています。
(文=Share News Japan編集部)
ネット上のコメント
・わかりやすい解説をありがとうございます
・法律ってカードゲームみたいね
・必殺仕事人の世界なのは昔から変わってない…人間ってどれだけ進歩しないんだ…
・申し訳無いですが、弁護士先生にしては論理が甘くないですか?
・先生の解説は簡潔明瞭で更に素人にも理解容易で本当に助かります。(何が助かるのかは良く分かりませんが)簡単に言うと、先生凄い。
・勉強になりました!
・口外禁止違反は、返金条項ではなく違約金条項にしたほうがいいってことかな